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夏イチゴ(夏秋イチゴ)とは

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まだまだ一般には馴染みが薄い「夏イチゴ」というものを、解説してみたいと思います。ただし、ここに記載する内容は主観的な認識や限定的な情報に基づくもので、もしかすると事実と違う点もあるかもしれません。その場合は、ご指摘大歓迎です。

「夏イチゴ」は、あらゆる消費者を無条件にうなずかせるような魅力は少ないかもしれません。小さいし、酸味があるし。でも、ある目的を持った需要者にとっては、非常に価値のあるものだと理解しています。社会全体に与える影響は少ないかもしれないけど、限られた人にとっては、それが有るか無いかでは雲泥の差と言えるほどのインパクトがある。そして、その人達に喜んでもらうために日々生産に励んでいる生産者や、その生産を支える様々な支援者・協力者がいる。

こうした我々が生きる業界の情報を知って頂く、もしくは、発信することは意味があるかもしれないという思いは常に持っていて、今回の記事もその一環と捉えて頂ければ幸いです。

 

イチゴは簡単に2つに分類される

世の中のイチゴは、姿形は同じでも、花の咲き方が異なる2種類の性質に分けられます。1つは、低い温度で日が短いと花を咲かせる一季成り性品種。もう1つは、高い温度で日が長いと花を咲かせる四季成り性品種。

日本の気候なら、冬から春に採れるのが一季成り、夏から秋に採れるのが四季成り。日本でイチゴがたくさん出回る12月から5月頃の、例えば「とちおとめ」、「あまおう」、「さがほのか」といった品種はほとんどが一季成りです。

 

夏イチゴ(夏秋イチゴ)という用語

高温・長日で花を咲かせる四季成り性品種を利用して、夏から秋にかけて採るイチゴのことを指して使われる用語です。「夏イチゴ」という品種や個別の作物があるわけではないです。また、夏から秋には、海外(特にアメリカ)からの輸入イチゴもたくさん入ってくるので、その時期に出回るイチゴを総称して「夏イチゴ」が使われることもあります。

ポイントとしては、少し補足を加えて、「に手に入る イチゴ」と捉えて頂けると、夏イチゴに関わる様々な方との共通認識を持ちやすいのかなと思います。

 

何故、イチゴが夏に手に入ることがポイントなのか

下の図は、農林水産省の2015年の統計資料から作成した、イチゴの月別流通状況です。青の棒グラフの「卸売市場入荷量」というのは国産イチゴを指しますが、7月から10月にはほとんど消えてしまう事が分かります。このような状況ですから、スーパーや八百屋さんで買える可能性は低く、限られた人が限られた方法でしか手に入れられなくなってしまいます。

ここに実は、生産現場の事情があります。それは、日本の夏から秋の気候では、イチゴを生産することが非常に難しいということです。

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イチゴは高温に弱い

話を少し戻して、四季成り性品種に性質上分類されるイチゴがあると書きました。特徴は高温・長日で花を咲かすこと。上のグラフが矛盾してるように思えますが、実際はそうではありません。もう少し人間の感覚に近づけて言えば、イチゴには中温(15~20度)くらいが適切で、25度以上になると栽培的には辛い環境になります。

なので、例え四季成りイチゴを使って栽培したとしても、夏から秋にかけて日本で栽培できる地域は非常に限られ、結果として生産量が極端に落ちるという訳です。

それだけではありません。気温が高いと植物はエネルギーを消費しますので、果実に栄養が回りにくくなります。そうなると、果実はコロコロと小さくなります。また、気温が高いと様々な害虫や病気も発生しやすくなり、繊細なイチゴにとっては非常に苛酷な環境になります。

さらにさらに、イチゴは果皮がなく、それが食べやすさのポイントにもなっていますが、ダメージを受けやすく、夏から秋にかけては輸送上の大きな問題にもなります。

 

夏イチゴは誰のためのもの

そんなこんなで、苦労して作って運んだ夏イチゴは、一体誰の元へ届くのか。全てではありませんが、大体はケーキ屋さんの厨房へ行き、ケーキの上に綺麗に鎮座してショーケースに並べられ、そして、そのケーキで夏や秋生まれの大切な人の誕生日を祝う場所へと運ばれるわけです。

主役の前にケーキが運ばれ、口へと運ぶその瞬間の喜びに、生産・流通・加工といった各現場の努力が集約されていく。それが「夏イチゴ」です。

現在は消費者のニーズも多様化していて、誕生日だけでなく様々なシーンでイチゴを必要として頂けますし、それに合わせて、加工や流通方法のバリエーションも増え、夏イチゴを喜んで頂ける機会が年々増えているように思います。

 

夏イチゴ生産者に求められる心構え

このように、夏イチゴは非常に特殊ですので、流通フローの上流である生産現場がしっかりと明確なものづくりをしないと、その流れはあっちこっち分散してしまいます。何となく作ってなんとなく供給というスタイルでは、真に必要としている人の、真のニーズにお応えできない。そうなると、そもそもこのような特殊なものを作る意味が無くなってしまうと考えます。

だから私たちは、必要としてくれる方にとって最善の夏イチゴをお届けできる農園でありたいと願い、明確な目的をもって生産に取り組んでいます。その栽培方針は、別ページ(誰でも簡単に買えるおいしい夏イチゴ栽培)にまとめてありますので、宜しければご覧ください。

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